より良いお店づくりに貢献し、お店を利用されるお客様皆さんが幸せになれる、そんな改善策をご提案させて頂くことが、私たちの使命であると考えております。
是非、私たちと一緒にそんなお店づくりを目指してみませんか?
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講習、マニュアルやテキストの作成なども承ります。
また、コンサルタント会社やマーケティング・リサーチ会社等との各種戦略的アライアンス(提携)も行っています。
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ここでは実際のVMD研修の状況とVMDの理論(ルール)について、解説をいたします |
VMD寄稿
東洋経済オンラインにて、VMDの記事を寄稿いたしました。
VMD研修
先般、量販店で販売を展開する大手メーカーにて、VMDの研修講師を担いました。
研修会場には全国から50名近くの参加者が集結されました。
はじめにVMDの基本講義で、理論やルールを解説いたしました。そして他業界におけるVMDの展開事例の写真で説明しました。また各自が撮影した売場の写真を、各売場担当から紹介していただき、それを見ながら実践的な良い点と改善点を講義しました。
後半はチームにわかれて、ケースステダィで設問として他業界の理想のVMD売場をディスカッションしていただきました。その最中には、各チームをまわりましてアドバイスをおこなっていきます。また同時に、ご自身が抱えている売場の課題について、質疑応答のやり取りも盛んにおこないました。
そして最後に各チームから発表があり、講評を加えて全体討議につなげていきました。活発な意見も出て、白熱した有意義な情報交換にもなりました。
研修ご担当者からは、引き続き次回も研修を検討したいとのお褒めの言葉もいただきました。
いまではVMDの別企画も進行中です。
(VMD研修、参考事例)
VMDとは(理論と考え方)
VMDでは「ディスプレイ」と「買っていただく実売商品」のところで売場を大きく2つにわけます。また、ディスプレイはさらに2つにわかれます。ビジュアル・プレゼンテーション、略してVPと、ポイント・プレゼンテーション、略してPPです。なお、お客さまに選んで買っていただくところは、アイテム・プレゼンテーション、略してIPと呼ばれます。IPは売場に品揃えしてある商品を指します。
VMD = VP + PP + IP
= ディスプレイ+ 実売商品
ディスプレイ= VP + PP
実売商品= IP
VP = Visual Presentation
(ビジュアル・プレゼンテーション)
(お店全体、フロア全体の商品を提案)
PP = Point Presentation
(ポイント・プレゼンテーション)
(コーナー、カテゴリーの商品を提案)
IP = Item Presentation
(アイテム・プレゼンテーション)
(商品自体を陳列するレイアウト)
●VP (ビジュアル・プレゼンテーション)
ディスプレイのなかで、お店の顔となる部分です。店舗、売場全体のイメージをつくり出し、店内や売場への導入をはかるための演出をおこないます。ここでは、お店のテーマやコンセプト、今の流行、シーズン商品、売りたいもの、売れ筋を展示する場所とします。ライフ・スタイル提案もおこないます。また、オブジェなどの演出小物を用いたりします。アパレルでは、マネキンやボディ・トルソーを使います。VPは比較的大きなもの、たとえば店頭入口でお客さまを迎えるショー・ウィンドウやフロアの代表的なディスプレイ部分となります。さらに、エスカレーター前やメイン・ステージの他に、ディスプレイ・テーブルにも展開します。
●PP (ポイント・プレゼンテーション)
ディスプレイのなかで、店奥の棚上や柱まわり、壁面にある売場につくり出します。また、全体を代表するVP以外のものとなります。店内では、中型ディスプレイ・テーブルでもおこないます。また、IPと連動して、商品を引き立てる演出をします。PPのそばに、必ずIPが一緒にないといけません。演出小物で、コーディネイト提案もおこないます。PPがマグネットのように、お客さまが磁石のように吸い寄せられる効果があります。
●IP (アイテム・プレゼンテーション)
売場で実売する商品を品揃えする場所です。お客さまが直接、最終的に購入を決定するところになります。VPとPPのディスプレイと連動をはかり、最後に商品を陳列してあるところにたどり着いてもらいます。そのためには、理想は店頭でVPを見て、次にPPに進んでいただき、最後にIPへつながる流れをつくることです。そうしてたどり着いたところに、IPの商品が並ぶことになります。見やすく取りやすく、そして選びやすくなっていないといけません。
(出典:『売れる商品陳列マニュアル』 日本能率協会マネジメントセンター)
VMD基本ルール
●シンメトリー(左右対称)
真ん中の中心線を基準として、右と左が対称となる均衡状態をつくります。それにより、心理的にも落ち着いた安定感の演出が可能となり、安心感から自然と認知度が高まります。たとえば、東京都庁のツインタワー、国会議事堂、東京駅などが、その参考例となります。アパレルでのマネキンによるディスプレイでは、2体を並べることがあります。スカートやパンツを履いたそれぞれのマネキンで、シンメトリーをつくっているのです。
●トライアングル(三角構成)
空間構成の基本は、三角形です。立体感や安定感の売場演出が生まれます。中心線を基準として、三角構成から心理的な立体感、ボリューム感の演出が可能となります。そのため、購買意欲が促進されます。たとえば、富士山、ピラミッドなどが、その参考例となります。お惣菜のサラダの量り売りであれば、パレットにただ平坦に盛るのではなく、三角構成でボリューム感を演出します。ジャンブル(投げ込み)陳列では、籐(とう)かごに商品を山盛りにして商品を並べています。そこでは、山型になることでボリューム感を演出できます。
●リピテーション(繰り返し)
同じパターンを繰り返すことで、見る人にストレスを感じさせず、強くアピールする効果があります。また、ボリューム感とリズム感の演出ができます。そのため、視認性が高められ、色やデザインの違いなど、バリエーションに富んだアピールも有効となります。ディスプレイを繰り返すことで、心理的にも商品の認知度が高まります。
●タイト(集約)
商品群を集めて陳列することです。小さな集合体を2つにするよりは、それを集めた大きな固まりを1つにした方が、同じ面積比でも集視度が上がります。リピテーションとは相反するところもありますが、1つのカテゴリーであれば、二分するのではなく大きく1つに集約すべきなのです。
(出典:『売れる商品陳列マニュアル』 日本能率協会マネジメントセンター)
VMDの由来
魅力ある売場をつくるテクニックとして、VMD(Visual Merchandising=ビジュアル・マーチャンダイジング)があります。これはお客さまに、視覚に訴える商品(仕入れ)計画、および売場演出をおこなうことです。
現在では、お客さまに売場で商品が魅力的に映るように、視覚的に情報を発信するテクニックの総称にもなっています。もともとは、1944年(昭和19年)、第2次世界大戦の末期に、アメリカのディスプレイ業者、アルバート・ブリス氏が、初めてこの言葉を使用しました。海外ではVM、日本ではMDともいいます。
そして、70年代後半、アメリカのデパートでの大型リニューアルの際に、本格的に採用されはじめました。シアター的要素として、ストーリー性のあるメッセージを表現するのに、活用されたのです。
VMDはデパート、高級ブティック、アパレル、ブランド専門店で発達したテクニックです。また、その理論は、スーパーや量販店など、あらゆる売場でも、展開されはじめています。たとえば、ただ単に売場で置かれているセーターと、マネキン(ディスプレイ用の人型模型)に同じセーターをコーディネイトしたものがあったとします。この場合、マネキンのディスプレイが、視覚的に商品の価値を演出し、購入を促すことがあるのです。
VMDの特徴
ディスプレイを通じ、商品のメッセージ性によりストーリーをつくることが、VMDの特徴でもあります。お客さまには、単に商品を購入いただくのではなく、その商品が持つテーマやメッセージをストーリーのなかで選択してもらうのです。
●商品アイテムのストーリー
新しいスタイルを提案した商品です。また、新しいバラエティあふれる商品の組み合わせにより、お客さまにメッセージを届けます。たとえば、スカートやスラックスなどでは、ビジネスやプライベートの両方にも、アレンジが可能なのでと提案ができます。
●ブランドのストーリー
売場で取り扱う有名ブランド商品です。さらには、付加価値の高いプライベート・ブランドで構成します。海外有名ブランドであるならば、店舗や販売コーナー自体にも、必ず決めている展開パターンがあります。プライベート・ブランドも、共通した統一感あるイメージで構成されています。
●価格のストーリー
新しい商品アイテムで、なおかつ価格が他店よりも優位性を発揮できるときには、価格のストーリーがつくれます。安さをアピールするために、わざと売場を崩し、ボリューム感がある大量陳列をおこなったりします。その反対に、高価格帯の商品構成であれば、その高級感を演出するために、床に大理石や余裕のある空間スペースをつくります。
●カラーのストーリー
バラエティあふれるカラー展開をする商品です。また、売場自体の色使いにより、お客さまへストーリー展開をおこないます。ユニクロが圧倒的なカラー・バリエーションでフリースを販売し、お客さまに支持されたことは有名です。また、春であれば桜のピンク、秋なら紅葉の黄土色など、売場を色により季節を表現することも可能です。
VMDの応用展開
●三形の特徴
三角形にするのは、安定感がつくれるからです。その反対の逆三角形では、安定感はなくなりますが、手前から奥に広がり下から上に広がるなど、シャープな図形なので、注視度は向上します。たとえば、V字型、逆V字型の陳列が考えられます。商品個数が多い時計などでは最適な陳列方法となります。広がるので、重く感じません。また、携帯電話の陳列で、センターのゴールデン・ゾーンに、売れ筋や新商品、また一押しの売りたい商品を少し高く並べます。次に、左へその次の商品、右にその他の商品を置くこともできます。売れ筋上位のランキングを付けることもできます。オリンピックの表彰台に並ぶ順番のように、センターに1位の金メダリストが一番高い台になっており、左側に2位の銀メダリストが、右には3位の銅メダリストが並ぶイメージです。
●円筒形・ループ型
その他、円形型であれば、周囲から見渡せることができます。四角形型であると、見えない死角をつくることになりかねません。たとえば、離れていても、受付カウンターの位置がわかる四角のボードから、円形にすることで360度見渡すことができます。変形タイプでは、ループ型があります。ループとは、東京の山手線や大阪の環状線の電車経路のように、楕円形のことです。やわらかな曲線となり、あたりが穏やかになる効果があります。ゴンドラ・エンドでも、ループ型を使い、フロントの横一線で感じる硬いイメージをなくします。また、亀甲型もあります。これは、亀の甲羅の模様のように、斜めに曲げていく型です。1つではなく、複数の亀甲型を入れることで、規則正しく安定感を演出します。
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